アニメでおすすめなのは「鬼灯の冷徹」です。漫画作品が原作で、1話完結型のアニメなので見やすいというのも特徴でしょう。個人的な評価では10段階で9です。マイナス1なのは、主演の鬼灯の声がとても低くて聞き取りにくく、音量をマックスにして観る必要がある面倒くささです。
日本にある地獄の、所謂官房長官的な役割である閻魔大王の第一補佐官である鬼灯と呼ばれる鬼神が、獄卒たちと共に過ごす毎日をコミカルに書いている話です。この鬼灯という鬼神が主人公ですが、筋が通ったキャラでそのブレなささからファンが多いのだろうと思います。
冷静で冷徹、美男子で高身長。常に無表情でシリーズ通して1度も笑わず、たとえ上司の閻魔大王であっても思うように働かないときには持っている金棒でぶっ叩くというある種のキレキャラです。
このアニメの特徴でもあるのが、古来の日本の神話や昔話に出てくるキャラクターがたくさん出てきて、有名なあの話の続きなどがわかるというところです。
例えば因幡の白兎やカチカチ山の白兎、イザナミノミコトやヤマタノオロチ、ぶんぶく茶釜の狸や桃太郎、一寸法師などです。彼らは死んだ後、従業員として地獄や天国で働いているのですが、彼らが生きていた時の晩年や話になった事件などの詳細がきけてそれが大人には大変面白いです。
一緒に見ている子供に受けているのは、主にサディスティックなその性格でしょうか。地獄が舞台というだけあって、暴力や拷問が日常ですからそれが随所に出てくるのです。しかしあくまでもコメディ要素のあるアニメだけあって、面白おかしく描かれているので夜怖くて眠れないといったことはありません。
好きなキャラクターはたくさんいますが、一番はカチカチ山の兎どんである「芥子」さんです。見た目が凄く可愛らしい白兎で、しかも声も高くて礼儀正しく、非常に可愛いのです。
小型動物が好きな人なら全員「欲しい」と思うような愛らしさがある外見なのですね。しかし彼女はカチカチ山で恩あるおばあさんを殺した狸にあの世でも恨みをもっていて、たぬき、という言葉を聞くだけで豹変します。
毛は逆立ち目はさけて背中に炎を背負い、モフモフで愛らしい兎さんは消え去ります。そして上ずった声で「おのれ狸いいい」と叫んで櫂を振り回して亡者やその場にいる狸(通りすがりの従業員ということもあります)をボコボコにしてしまうのです。
元々天国にて薬剤師の仕事をしていたのを退職して、地獄で亡者の拷問役に転職した経験を持つ外見の愛らしい白兎は見ていてとても楽しいです。
甘さは殆どないけれど、ストレス解消になるブラックユーモア満載の「鬼灯の冷徹」はアニメ好きの全ての皆さんにおすすめしたいです。