男子高校生の日常とは、男子校である真田北高校に通うタダクニ、ヒデノリ、ヨシタケら、男子高校生の面々の、文字通り日常を描いたギャグアニメです。
いわゆる日常ものの範疇には入りますが、ヒデノリたちはかなりおバカな上にテンションが高く、自分や友人の妹の下着で大盛り上がりしたり、女装してみたりといった下ネタ方面から、かなり怪我人が出そうなほどハードな缶蹴り遊び、しかも缶をプラモに換えて行うといったハチャメチャな展開が強烈で、見る人を爆笑に誘います。
一方彼らは現代的な感じでもあり、昔風のバンカラとは随分感じが違いますが、だからと言って女の子にモテるかと言うとそうでもなく、顔も性格もいいのに、徹底的に子供っぽかったりするので、彼女ができたりといった描写には縁がありません。
さらに言えば、本作に登場する女性キャラは、昨今全盛の「萌え」ではなく「萎え」に重点を置いているところがあり、ヨシタケの姉やタダクニの妹などの「身内勢」は前髪で目を隠しており、可愛らしい雰囲気ではあるものの表情が分からなくなっているし、枠内でのスピンオフ「女子高生は異常」で活躍するヤナギンや生島はえげつないほどキツい性格をしているため、とても普通の恋愛を楽しむどころではありません。
まるで子供のように全力な男子たちに輪をかけて、女性陣は怪力揃いですが、中でも一見大人しいものの、かつての悪行から「アークデーモン」とまで呼ばれている羽原さんの強烈さはまさしく尋常ではなく、他の漫画やアニメでは予想しがたいようなハードな展開が目白押しです。女子高生の「普通」の女の子同士が、路上でどっちが強いか決めようという話になったり、テストに負けた相手にタイマンを挑んだりと、可愛い外見とは裏腹、かなりのヤンキー体質が全面に出ているのもユニークです。
ただ、完全に破天荒なだけというのではなく、意外にビシっとしていて過ごしやすい男子校と、ダラっとしている女子高の対比だったり、ストライクゾーンから外れている上、まったくファッションにうるさいいない相手がいないために、毎日芋ジャーでもまったくOKな男子校での女性教師といった、妙なリアルを感じさせる部分も多いため、
視聴している人は案外「あるある感」を共有することができ、現役の学生の方にはもちろん、かつて学生だったという方にもリアル感を持って楽しむことができる作品と言えるでしょう。喧嘩はしつつもギスギス感のない雰囲気もいいですね。
星は9個です。