「まじっく快斗」は、マジック好きの高校生黒羽快斗が、事故死してしまった父親・黒羽盗一が実は世界的な大泥棒である怪盗キッドだった事を知るのです。
おまけに父親は事故ではなく殺されたのだと聞かされた快斗は、白いタキシードに身を包み、怪盗キッドとして活動を開始します。
「名探偵コナン」を知っている人なら、この怪盗キッドの名前を聞いてすぐに分かると思いますが、そうです。
怪盗キッドは、「名探偵コナン」にも登場します。
ある意味、この作品は「名探偵コナン」のスピンオフ的な作品なのですが、「名探偵コナン」を知らなくても大丈夫です。
充分に面白いです。
普段の快斗はどちらかというと、普通の高校生で、幼馴染みの青子ちゃんをからかったりして、まるで学園ラブコメのようなやり取りがあるんです。
でも、青子ちゃんのお父さんは中森警部。そうなんです。
怪盗キッドを捕まえる為に執念を燃やしている中森警部の娘さんなんです。
その為、ちょこちょこ快斗は中森警部に話を聞き出したりするんですけど、中森警部がいかに正義感のある人なのか知っているだけに、快斗はかなり複雑な気持ちになってしまうんです。
でも、夜になると颯爽と白いタキシードに身を包み、華麗なマジックと歯の浮くような台詞で周囲を惑わす怪盗キッドになるんです。
この作品を見て、初めて怪盗キッドがなぜ盗みを繰り返しているのかが分かります。
そして、この「まじっく快斗」を見た後に「名探偵コナン」を見ると、怪盗キッドへの見方が全く違うんです。
一つの作品のスピンオフ作品って、作品への見方が変わったり、今まで謎だった事が明らかになったり、とても魅力的なんです。
そして、なんといっても快斗と青子ちゃんの関係が胸キュンなんです。
怪盗キッドの時は、あんなキザな台詞を言っているのに、なぜか青子ちゃんには言えないんです。
そこがなんとも、もどかしくて可愛いんです。
それに、青子ちゃんにとっては、怪盗キッドはお父さんを困らせる天敵と言っても良い相手なので、快斗の前で怪盗キッドの悪口を言うんです。
その時の快斗の表情がなんとも言えないんです。
華麗な怪盗のシーンと、ラブコメ要素がたくさん入っている「怪盗キッド」は、男女共に見てほしい作品です。
時々コナンくんも登場するので、ここもかなり見所ですよ。「名探偵コナン」で見るのとはまた違う、二人の微妙なやりとりが新鮮です。この作品は、単なるスピンオフ作品ではありません。
総合評価は8.5点です。