10段階評価 10点
こちらの作品は、仕事で疲れたときや気持ちがギスギスしているな、または沈んでるな、そう思った時に見るようにしています。
そう思わせるのがまずこの作品の世界観。時代背景は近未来で火星に移住した話ではあるのですが
その星に作られた町並みは地球のヴェネチアそのもの。もちろん作品の中には近未来化した装置や、地球上では考えられなかった職業なども沢山あるのですが、生活の根本は現代のヴェネチアそのもので
水路にはゴンドラ、街の中は石畳、噴水やパン屋さんなど、見ていてどこかホッとするものになっています。
作品自体はとても古いはずなのですが、それを思わせないほどのストーリーの綺麗さ、また、街並みの描写もとても美しく、目にも心にもとても優しい作品になっています。見ていて浄化される、という表現が一番しっくりくる気さえします。
物語の主人公は、水路をゆくゴンドラに観光客を乗せて街を案内するという職業についた女の子たちのお話で、皆個性が強く、おっとりな主人公にツンデレな友人、秀才な後輩、厳しい先輩等を中心に進んでゆきます。
また、主人公たちは時に失敗したり、上手くいかないこともありますが腕を磨くために努力したり、思い切って考え方を変えたりと、あらゆる方法で乗り切ります。
その努力する姿や、前向きに考える力は、仕事で少し疲れが出たり気力が切れてしまった時などに本当に励まされています。
主人公はおっとりな性格であり、コミュニティ能力がとても高くまた、街に住む人々も皆暖かい心をもった人ばかりなので
忙しい日々が続いた時等に再生すると、心が休まります。
基本的な展開はとてお穏やかで、あまり人との衝突や波風が立ちません。それもまた安心して見続けられる要素の一つだと思います。
この作品はこういった日常なものだけでなく恋愛からオカルトな話まで多彩にあるということも魅力の一つです。恋愛回では思わず応援したくなるような展開と、見てるこっちまで恥ずかしくなるようなキュンとくるお話が多いのですが、
逆にオカルト回では幽霊話や不思議現象が多く、背筋が芯まで凍るようなゾッとするお話もいくつか存在します。
また、猫の社長が主人公となるコメディ回もあります。こちらは社長目線で進み、会話が字幕になるなど特殊な回ではありますがお笑い要素などをふんだんに盛り込んでいるので、見ていてクスっとくるいいアクセントになっています。
ホッとする世界観に浸りたい方や、仕事で忙しくしている方にお勧めしたい作品です。