蒼天航路は三国志をモチーフにしたアニメ作品です。
三国志というと日本でも根強い人気があり、マンガ・映画・ゲームと色んなメディアから引っ張り凧の歴史物の作品です。
三国志を知らない人でも「諸葛亮孔明」という天才軍師や、「泣いて馬謖を斬る」「白眉」等の故事を知ってる方も多いんじゃないでしょうか。
ただ私達日本人が良く知ってる三国志って、魏・呉・蜀の蜀を建国した劉備玄徳サイドの物が多いんですよね。上記の三国志関係の故事もすべて蜀陣営で出来事。
ほとんどの三国試作品では劉備玄徳を主人公としており、魏の曹操・呉の孫権についてはあまり詳しく描かれていなかったり悪役的な扱いを受けています。しかし蒼天航路は魏の曹操を主役とし、他の三国志作品とはかなり異なった物に仕上がっています。
これにより新たな三国志を知ってもらえるのでは?と感じます。
蒼天航路は若き日の曹操から最後までを描かれています。中でも強い印象を受けたのが、敵勢力でなら董卓と呂布、味方でなら郭嘉です。
董卓って黄布賊の乱で失敗してますし、某三国志の影響で大した人物には感じてなかったんですよね。ところがこの蒼天航路では武力も策謀もある強敵として描かれていて驚きました。
また董卓の部下となる呂布にも今までの持ってたイメージとは大幅に異なっていました。今までは口車に乗りやすい単細胞で物欲が激しい、しかし武力は三国志一という印象を持ってました。蒼天航路では単細胞というより、ちょっと障害のある人物という印象です。圧倒的な武力は変わりませんけどね。
部下であり軍師の郭嘉奉孝は、今までの三国志作品ではほとんど未知の存在でした。曹操の軍師といえば「我が子房なり」と曹操に言わしめた荀彧が有名です。しかし三国志のゲーム内でのステータスでは、郭嘉は荀彧を上回ります。
曹操は郭嘉が病没した際「天下泰平の暁には、後事を彼に託すつもりだった」と残念がったり、赤壁の大敗時には「もし奉孝がいてくれたなら、このような負け戦はしなかったろうに」と嘆いたとも言われています。
ここまで曹操に高く評価されているにも関わらず、他の三国試作品では郭嘉についてはノータッチ。それに曹操が最大のライバル袁紹を破った官途の戦いにも触れていなかったりするんですよね。
郭嘉は袁紹亡き後の袁家殲滅で多いに活躍しましたが、他の三国志作品では触れていない為に郭嘉について紹介はされていません。
しかし蒼天航路では郭嘉が張遼と共に袁家殲滅や烏桓族討伐での大活躍を紹介してくれてるんですよね。
郭嘉の問題である行儀の悪さまで紹介されてましたけど。
このように蒼天航路は曹操陣営から三国志を描くことにより、他の三国志作品では知り得なかったことを色々紹介してくれています。
三国志に興味がある人には是非観てもらいたいアニメ作品です。私個人の蒼天航路の評価は10点満点で9点といった所でしょうか。難しい言い回しの多さがややマイナスに感じました。