家の外では容姿端麗にして成績優秀、周りへの配慮もバッチリな完璧女子高生だが、家に戻ると超ぐうたらな「干物妹」になってしまう少女、うまるちゃんの日常を描いたアニメの第二期作品となっています。
タイヘイ君が相変わらず甘く優しい感じなのでうまるちゃんの性格は相変わらずですが、仕事の方が順調なこともあり、タイヘイ君が家を空けることが多くなったりと、自分の時間を過ごすことが多くなってきます。
とは言えうまるちゃんは決して孤独ではなく、今やすっかり仲良くなった海老名ちゃんやきりえちゃんたちととても楽しく毎日を満喫しています。
状況や場所によって主人公の姿が露骨に変わり、しかも作中でもその変化がリアルなものとして受け止められているのが「うまるちゃんシリーズ」の特徴ですが、本作ではより細かな「変化」を全面に活かして、友達と付き合っていくうまるちゃんがポイントです。
たとえば海老名ちゃんとは「外うまる」モードで丁寧し、そして優しく親身に付き合いますが、なかなか自分を出しづらいタイプのきりえちゃんと遊ぶ時は「うまるの妹のこまる」を名乗ってデフォルメモードで楽しんだり、シェルフィンちゃんに対しては「UMR」として、ゲーマーとしての自分をフルに出してエキサイトしていくなど、とにかく表情が豊富です。
しかもその違いは、決してうまるちゃんに「自分がない」からではなく、もっとも「素」に近い外うまるモードの姿が皆に愛されていたり、心がほっこりする展開を楽しめたり、昔ながらのデパートに行って満喫していたら、
その建物が取り壊しに遭うのを目撃してしまうなど、ほろりとしてしまうようなエピソードもあり、実に充実した感じがありました。
仲が良くなっていくにつれて、徐々に友達に対してもうまるちゃんの「地」が出てくるような展開にはニヤニヤできましたし、また友達の側も何となくそうした部分に気付いているんじゃないかといった、絶妙な距離感を楽しむことができる彼女たちの仕草や声の調子の違いなども押さえておきたいところだと言えるでしょう。
タイヘイ君を巡る「本筋」の部分でも、海老名ちゃんのお兄さんとタイヘイが思わぬ形で出会っていたりと、ラブコメ作品っぽいドキドキが味わえたりする部分もあったりして、とにかく一気に読み進められるだけのポテンシャルのある作品だと言えるでしょう。二期目ではあるもののマンネリ感はなく、かなり新鮮に観ることができました。
評価は7点です。