言わずと知れた名作ベルサイユのばら、本編は見たことがなくても誰もが主題歌を聞いたことがあったり、あのキラキラした絵を想像することができるのではないかと思います。
よくCМや他作品のギャグシーンなんかでパロディとして使われることも多いです。
ですがこの作品、一度見るともうギャグとして見ることなんてとても出来なくなってしまう程キャラクターそれぞれの生き様が素晴らしく、夢中になり泣けて、名作と言われる所以を知ることになります。
フランス革命前後のベルサイユが舞台で、マリーアントワネットの護衛についたオスカルと、またその幼馴染のアンドレ他様々な魅力的な登場人物が織りなす愛と革命の物語、まず一番の魅力は間違いなく主人公であるオスカルでしょう。
後継の男児を求める将軍家に生まれ、美しい美貌を持った女性ながら家のために男として育てられる、この設定からして興味をそそりますが何よりオスカルの人となりがとにかく魅力的です。
女性として生きたいという思いを抱えながら、家のため愛する父のため剣の腕を磨き迷いを捨て軍に入る、物語はほとんどここから始まるのですが、
その鍛え上げた剣の腕と気高い精神、そして女性であるが故の感受性の豊かさでマリーアントワネットの信用を獲得していくサクセスストーリーは本当に面白いです。
身分の違いはあるけれどそれをずっと横で親友として、密かな恋心を持ちつつ支えていくアンドレにも感情移入してしまい応援せずにはいられませんでした。
この序盤の展開でも十分楽しめましたが、スウェーデンの名門貴族であるフェルゼンが出てきて、オスカルの捨てたはずの女性としての心が目覚めてからの怒涛の展開といったら夢中になりすぎて視聴する手がとまらなくなってしまいました。
史実に基づいて作られているので、それからもたくさんのキャラクターが出てきてフィクションではない本当の事件が起き、また命を落としていったりします。
悪役と呼ばれるようなキャラクターももちろん出てくるのですが、その誰もがみな揺るぎない信念を持ちその人生に考えさせられます。
少し自分の人生にも影響があったかも知れないほど、このベルサイユのばらという作品は素晴らしいものでした。
敢えて不満な点を挙げるなら途中で話が飛んでしまう箇所があり不明瞭である部分があるのと、やはり今視聴すると演出が古く感じてしまうところだと思います。
この少し不満な点を考慮して評価は星9.5とします。