公式によるとダークファンタジーweb小説が原作と書かれていますが、設定的には「なろう小説」の転生ものに近いものがあります。
過疎化したオンラインゲームに残った主人公がそのままゲームの世界に取り残され、世界征服を目指すといったストーリー。
ありがちな設定ながらも面白く感じるのは、主人公の行動にリアリティがあるからです。
アニメの中ではほぼ最強であるにも関わらず、その実力差に懐疑的であり、また他のプレイヤーが残っていることも考慮しているため、その行動は非常に慎重。
意図的に敵の魔法攻撃を受けてみたり、そこそこのモンスターを召喚して相手の強さを計ってみたりするなど、恐ろしく冷静です。
主人公のゲーム内キャラクターがアンデッド属性だったことが影響しているようで、人間性が少し欠けており、人の死を前にしても驚いたり悲しむようなことはせず、敵味方関係なく狡猾に人を利用する姿がキャラクターデザインの格好良さ以上に格好良く見えます。
ダークヒーローとも呼べる性格設定になっており、特に後半からの敵との戦いはさながら悪VS悪といった雰囲気ですが、仲間(ゲーム内のNPCや、昔一緒にゲームをプレイした人達)の性格のおかげか、ストーリー的に悪の道には至らず、王道を歩んでいるところも見ていて好感が持てます。
感情を持ったNPCは主人公に絶対忠誠を誓っているし、主人公は圧倒的な力を持っているしと中二病全開な面があるにも関わらず、素直に面白いと思えるのは、この頭脳戦でも勝る主人公のキャラクター設定にあると思います。
あと、この物語は例に漏れず膨大な裏設定があり、中二病をくすぐられることが間違いないので、そういった考察のし甲斐もあります。こういうアニメはやはり中二病全開の気分で見たいのですが、
一つ欠点をあげるとすれば、作者の性格のせいかエロゲのネタとか2chネタが散見されるのが、個人的にはあまり好きではなかったです。その点でポイントを下げて7点にしています。
最終戦で中二病全開の魔法連発のシーンで盛り上がっていたのに、いきなりB級サメ映画のネタとか入れてくるのはホントにやめて欲しかったです。
ただ一方でオンラインゲームあるあるネタとかは私はすんなりと受け入れられたので、この辺は好みによるとは思います。
ストーリーのテンポも良いのですが、主人公の慎重さ故か、アンデッド属性で不死の可能性があるからか、
世界征服という目的はまだまだほど遠いのが少し気になりますが、アニメの三期も放映が決まっているため、気長に楽しんでみていきたいと思います。