・絵がきれい
深夜アニメですと作画がくずれている作品をちょくちょく目にしますが、こちらの作品はそれが気になることは全くありませんでした。
全般に原作の羽海野チカ先生の絵柄が存分に生かされたふんわり温かい雰囲気で、毎回見ていて癒されます。その時々によって表情が変わる水面や、川本家の居間のあたたかい感じなど、自分が本当にそこにいるかのように感じることができます。
・聖地巡りが楽しい
この作品には実在の場所がいくつか登場しており、それらの場所を訪ねるのも楽しいです。よく登場する場所としては、千駄ヶ谷の将棋会館の周辺。向かいの鳩森神社や千駄ヶ谷駅前の東京体育館なんかも出てきます。
また、川本家の3姉妹がすむ「三月町」は月島がモデルになっています。わたしは3月のライオンを視聴するまで月島へはせいぜいもんじ焼を食べに行く程度でしたが、作品を観てからはむしろ風景のほうを楽しむようになりました。
橋や鳥居、小さな川など、作中に出てくるものを町中のいたるところに発見することができます。わたしが特に感動したのは川べりの風景。本当に作中そのままで、ひなちゃんが泣いていたベンチや、香子さんと零くんが邂逅した橋の下などが実在しています。
・原作ファンも納得の出来栄え
わたしは1期を観終わったころに原作を買ったのですが、原作を読んでアニメが相当忠実に作られていることに感心しました。3月のライオンはアニメとしては珍しく、1話のなかに「chaptor○○」という形で複数のサブタイトルが入っています。
このサブタイトルは原作からとったものです。わたしの知る限りでは完全に一致しています。よく原作ありの作品ですと、原作のエピソードが削られたり、逆にオリジナルエピソードが入ったりすることも多いですが、3月のライオンではそれらが一切ありません。(多少順番が前後している話もなくはないですが)原作ファンも安心して観れます。
・将棋の世界にちょっと触れられる
主人公の零くんはプロ棋士です。この作品は将棋の話がメインではないですが、それでもプロ棋士たちの世界を垣間見ることができます。
昨今は藤井くんフィーバーで注目されることも多くなりましたが、わたしは3月のライオンを観てプロになる条件なんかを知りました。現役高校生である零くん、作中では「天才少年」という評判がたびたび。零くんを上回るスピードで快進撃を続ける藤井くんのすごさが、この作品を観ることで一層理解できます。
★★★★★★★★★ 9点